こんにちは!中央区議会議員の高橋元気です。
本日は所属する企画総務委員会にて令和5年度2月補正予算案の審議が行われ、会派を代表して出席しました。
一般会計補正予算案について説明を致しますと、
一般的に毎年2月に提出される補正予算案については、当初予算案からの着地見込みの修正等が入ります。
歳入においては特別区税(たばこ税)について、売渡本数の上振れにより3億円の増。特別区交付金については都区財政調整制度による普通交付金の再算定結果により75億円の増。八重洲二丁目再開発に伴う土地売払により154億円の増のほか、各事業実績値に伴う国庫支出金や都支出金の減額になります。
歳出においては、こちらも各部署の職員給与の着地見込み減による減額(こちらは年度内の育児休業や傷病休業取得を主な理由とするもの)および、各事業にかかる費用の実績値から全体的に減額されます。
また、大きな新規事業として区内共通買物券・食事券の発行および特別支援学校の給食費補助の2点が計上されました。
①区内共通買物・食事券の発行
・発行総額:26億円
・発行時期:令和6年4月下旬
・利用期限:令和7年3月末
・販売方法:区民・在勤者を対象に事前申込制、応募多数の場合は区民優先で抽選
②特別支援学校の給食費補助
・支給額:令和5年度分の給食費相当額(遡及適用)
・対象者:東京都が設置する特別支援学校に在籍する児童・生徒およびその保護者のうち、以下の要件すべてに該当する者
└児童・生徒および保護者ともに中央区に住民登録があること
└東京都就学奨励事業や生活保護など他の事業による学校給食費全額の支給認定を受けていないこと
私からの質問は主に区内共通買物・食事券2024の発行について
Q.まず本来令和6年度当初予算案に含まれる来年度の区内共通買物・食事券の発行について、例年より販売時期を2か月前倒して4月に販売を開始するため、本補正予算の債務負担行為に含めて計上をしているという点、およびプレミアム率を20%→30%に引き上げて拡大するという点、区民の皆様に早く届けて経済を活性化するという区の方針については感謝申し上げると共に高く評価致します。
その上で、数ある経済対策のメニューの中、今回区内共通買物券の発行に決めた経緯や目的、および前年度の区内共通買物券発行における実績を教えてください。
A.昨今の物価高騰の煽りを受けて区内の小売店は大変厳しい状況であり、経済対策として区内の景気を高揚させるためにどのような施策が有効かを検討し、平成12年から開始し区民の皆様から広く親しまれている本施策を活用し、区内の方々に使って貰いたい。コロナも収束してきたがここでしっかりと勢い付けるため、発行時期を前倒しし、増額して発行する。
令和5年度の実績については、申込が区内在住者(区民)が30,155人で全員当選、在勤者が1853人申込があり抽選により736人となった。
クレジットカードの支払停止等によるキャンセルもあったが、全て売り切れ。現時点による換金率は85.1%であるが、例年99.5%ほどになる。
Q.昔から区民に親しまれ、消費喚起策として有効であるという点は理解する。使える店舗の拡大や周知という点では次年度に変更はあるか?
A.利用可能店舗については現在区内で1782店舗あり、専用HPにて公表、随時登録を促して拡大している。今後の増加については特に晴海の新設商業施設(ららテラス)等の各店舗に現在交渉して調整中。
Q.次に対象者について、これまでも何度も取り上げて来たが、16歳以上という年齢制限について
Q.区としてはこれまで地域振興策であり福祉施策ではないため年齢制限撤廃は考えていないと説明を繰り返してきましたが、改めて本区の考えを確認する。消費喚起策、経済対策が目的であるのであれば、敢えて年齢制限を設ける必要はないのではないか。
令和5年度に同様のプレミアム付商品券・買物券を発行した自治体は、23区では21区が実施しており、そして購入対象者に年齢上の制限を設けているのは本区だけであった。(正式な調査ではなく、個人で各自治体のHPを確認したものですので、間違っていれば修正お願いします)ちなみに、約10年前においては墨田区や世田谷区、台東区等は同様に16歳以上という制限を設けていたが現在においては撤廃しています。
例えば申込に区民が殺到しており、ある程度の線引きが必要な状況であるのであればこのような制限も理解出来るところではあるが、どのような目的、効果を想定して制限を行っているのか、改めて教えてください。
A.区としては、区民を優先した上で、区内中小小売店の活性化を目的としている。責任を持って購入して貰うため、子どもについては制限をしている。子育て支援策や生活支援を目的としている福祉政策ではないので、義務教育が終わる年齢であり、人によっては仕事も始めている年齢を基準としている。
Q.福祉政策ではないからという区の主張であるが、同様に買物券を発行しており年齢対象を絞っていない本区以外の20区においても、本施策は福祉施策とは捉えられていない。16歳未満を対象とすると全て福祉政策となると考えるべきではなく、何も子育て世帯や子どもを特別に優遇すべきと言っている訳ではない。区内の消費を喚起したいのであれば、少なくとも中学生以上は自分で区内の飲食店を活用するし、部活用具や嗜好品を購入している訳で、全区民を対象とするのが制度として合理的であり、公平ではないか。
また、16歳未満が仕事をしておらず、収入がないことを理由とするのであれば、それは年齢に限られるものではない。つまり扶養の問題とするのであれば、要介護や専業主婦等、家庭の事情により収入はないが、区内で消費したいと考える区民はいる。
また、発行に公的な身分証明が必要であるとするのであれば、少なくとも身分証明として学生証が交付される中学生以上も含まれる方が自然である。
重ねて言うが、子どもを特別に優遇しろという訳ではなく、経済対策を目的とするのであれば、原則的に全区民を対象とするのが、目的に照らして制度として合理的ではないかという視点から、改めて見解を問う。
A.本施策は中小企業振興対策として、原則的に「区民の皆様に責任を負ってもらい協力をお願いするもの」として考えているところ、責任を取れるのは成人年齢でないと難しいのではないか。また、委員ご指摘の通り、昔は元々5億円の規模で区役所にお越し頂いて本人確認をしていたところ、本人でないと買えず、大体が午前中のうちに売り切れる状況であった。ここ数年はコロナ禍における緊急経済対策として拡大しているが、いつこれまでの規模に戻るかは分からない。
また、販売日を6月の第2土曜日に設定していたが、これらはそもそも高齢者の方々の年金支給日に近く、買いやすいようにして欲しいと区議会から要望があったものである。
Q.本区の考えは理解した。区の考え方自体を責めている訳ではなく、制度設計として公平性に疑問があるため、来年度以降に実施する際には他区では撤廃している年齢制限が本区では本当に必要であるのか、施策の目的と照らして改めて考えて欲しいと強く要望する。
また、過去に議会からどのような要望があったかは存じていませんが、本施策は子育て支援策、福祉政策ではないが、高齢者優遇施策でもないのではないか。あくまで消費を喚起し、景気を高揚させたいのであれば、対象は全区民とし、全区民が等しく区内の経済対策に寄与出来るような制度設計を改めて望むものです。
最後に、次年度においても紙媒体のみの発行となるが、世田谷区ではせたpayによる電子マネーでの発行、大田区や目黒区など多くの他自治体では電子買物券による発行も広がっている。本区においても昨年度の審議の際、電子での発行も前向きに検討するとしていたが、電子買物券の発行についてはどのように考えているか?例えば店舗側の対応などもネックにはなると思うが、どのような点がネックなのか?
A.本区においても過去にキャッシュレス決済還元キャンペーンや行政手続きにおける電子マネー決済も実施してきた中で、社会情勢的に機運が高まっていると認識しているが、高齢者の方々は使いにくいという事もあり、これまで通り紙での発行となった。デジタルと紙での併用という考えもあると思うが、事務取扱手数料が嵩んでしまうという点も含めて慎重に検討している。
→改めて本区の考えは理解した。重ねて申し上げるが、本施策は高齢者のみならず全区民が利用しやすいという視点で考えていくべきである。区民の中には電子マネーの方が利用しやすいという声もあり、他区では電子買物券による交付も進んでいる。区民ニーズを的確に把握し制度設計を進めて頂くよう強く要望する。
本日は論理立てて区の見解を一つ一つ問いましたが、やはり区内中小企業としても区民としても、出来る限り多くの区民の方々に使って貰いたいと考えていると思います。
あくまで経済対策、区内消費喚起を目的とするのであれば、対象は全区民とすべきであり、区民に年齢制限を設ける必要性も施策設計の合理性もないと考えます。
また、施策の趣旨として説明のあった「責任を持って区内で消費出来る区民」という定義が曖昧です。収入の有無であれば年齢は関係なく、実質的な資力が本人にないケースは沢山あります。責任能力を指しているのであれば16歳以上という制限は合理的ではありません。そもそも区内で区民の消費を喚起したいのであれば、年齢は関係ないのです。
但し、今回副区長から、そもそも過去に高齢者のための制度設計の要望をしてきたのは区議会の方である、という趣旨(少なくとも私はそう捉えました)のご発言がありましたので、この点は私も重くそして前向きに受け止めたいと思います。
恐らく、過去の議会でそのような議論や要望があり、その趣旨を元に本区が制度設計をしているのであれば、議会側の責任でもあります。議会内で改めて他会派のご意見や政策を伺い、会派や個人としてではなく、議会として改めて当時の議論から何が変わったのかを整理し、全区民を対象とした制度設計について、積極的に議論および要望をすることが可能なのであれば、本区とも前向きに調整出来るのではないかと考えます。
この点は、個人としても会派としても自分達の手柄にしたいとは全く考えておりません。(むしろ全会派での実現にお願いしたいです)
まずは議会としてもコンセンサスが取れるように、丁寧にお話し、議論をしていきたいと思います。
区政とはあくまで対立ではなく対話が重要だと考えています。
本区の施策を一辺倒に批判するのではなく、どのようにすれば施策の修正に至るのか、実現して貰えるのか、その背景や経緯、対話も大切にしていきたいと思っています。
それでは!!