【6月補正予算】能登半島地震を踏まえた防災対策拡充、1人あたり5000円相当の防災用品カタログギフトの配布、ベビーシッター利用支援事業の拡充など

こんにちは!中央区議会議員の高橋元気です。

本日は6月補正予算案の審議が行われ、会派を代表して各質疑を行いました。

主に私からの質問は以下の通りです。

■能登半島地震を踏まえた防災対策

①家庭内備蓄促進事業

※在宅避難に必要な備えなど自助の取組の重要性を区民一人一人に改めて呼びかけるとともに、各家庭の取組を後押しするための防災用品カタログギフトの配布を行い、家庭内備蓄の促進を図る。

・対象 令和6年9月1日時点の区民および令和6年9月2日から令和7年3月31日までに区民となった方
・配布内容 防災用品カタログギフト 1人あたり 5,000円相当



Q.まずは様々な選択肢がある中でカタログギフトの配布となった経緯、また1人あたり5000円となった根拠について

A.能登半島地震を受けて、ライフラインの連続、物資の輸送や避難所の運営など様々な課題が見えてきた中で、本区の特色はマンション居住率の高さがポイント。つまり3日間の在宅避難が基本となる中で、在宅避難の重要性を改めて啓発する必要がある。1人1人にパンフレットで改めて防災意識の向上を呼び掛けると共に、避難を継続するために備蓄が欠かせないことから備蓄を促進するために支援する。

家庭によって備蓄の状況が違うため、それぞれの家庭のニーズに沿ったカタログギフトという形態が良いとなった。

5000円については、1人1人に3日分の備蓄品が必要であり、必要な品目を計算すると大体10000円と試算、50%を区が支援するという考えである。



Q.実際の申請、発送方法について。また、最新の区政世論調査によると飲料水の備蓄が70.5%、 食料65.8%、消火器55.3%、 簡易トイレ52.2%、救急セット37.1%と他区と比較しても率は高い状況であるが、数値目標は設定しているか?

A.申請方法についてはハガキインターネット(WEBサイト)を予定、パンフレットなど案内を送り、郵送にて発送は12月頃を想定している。申請は世帯単位で人数分を入力。申込期限は来年5月末を予定している。

数値目標は具体的には設定していないが、出来る限り100%を目指す。


Q.品目について。受け取る側からすれば、結局防災対策の備えとして何が重要で必要なのか、現在家庭に何が足りないかが分からないというご家庭もあるのではないか。例えばチェックリストのようなものがあり、選べたら参考になる。そのような取組みについて。

A,これからプロポーザル形式により事業者の提案を受けるが、乳幼児向けや高齢者向けなどの品目充実はポイントとなる。何が必要なのかについては、リーフレットで分かりやすく周知を行う予定。分かりやすく作り、必要な品目が分かるようにする。



②エレベーター防災キャビネット

マンション居住世帯が9割を超える本区の特性を踏まえ、マンション内の共助の取組としてエレベーター閉じ込め対策の強化を図るため、飲料水や携帯トイレ等の非常用品を格納するエレベーター防災キャビネットを希望する区内マンションに無償で配布する。
  
*対象 防災キャビネット未設置のエレベーター
*申請できる方 マンション管理組合,自治会,自主防災組織等



Q.申請数の想定について。また、そもそも管理不全となっているマンションなど防災組織が未成熟なマンションこそリスクとなり得ると思われるが、そのようなマンションに対してはどのようにアプローチするのか。

A.区内のマンションが約2700棟、1棟あたりのエレベーター数と蓄電池助成の際の申請率を加味して、想定は840台分。

区内全てのマンションにこの事業を周知していくにあたり、マンション防災としての各種取組みを同時に伝え、メリットを伝えることにより防災組織の成熟に繋げたい。



③  備蓄物資・食料の充実

発災時季に関わらず、避難所において安全で安心できる生活環境を確保するため、暑さ・寒さ対策やトイレ等の衛生対策などに必要な備蓄物資の充実を図る。また、輸送ネットワークが復旧し物資輸送が再開するまでの間、避難所において確実かつ円滑に食料を提供できるよう、避難者想定数に基づく食料の備蓄をこれまでの3日分から4日分に増強する。

* 備蓄品目 使い捨てカイロ,冷却パック,段ボールベッド,ドライシャンプー,携帯トイレ など

④  防災備蓄倉庫の整備

追加配備する備蓄物資への対応と防災拠点への効率的な物資輸送を行うため、旧新川児童館の改修工事を行い、防災備蓄倉庫として整備する。



Q.備蓄食料の充実とあるが、能登半島地震を受けての課題として4日間としたのは何故か、また、区内全域で足りない備蓄物資を試算した結果、防災備蓄倉庫については旧新川児童館の改修で足りるのか

A.都の地域防災計画においては、避難所においては72時間(3日間)の備蓄が必要と想定しているが、能登半島地震を経てなかなか物資が届かない状況も見てきた。

3日以内に東京都等からの支援物資が地域内輸送拠点に届いてから、各防災拠点に仕分けをして運搬する作業も1日余計にかかると加味すると、合計4日間の備蓄が必要であると判断した。

4日目以降については、順次全国から届くと想定すれば4日間で十分であると想定。

また、備蓄倉庫のキャパにおいては今回の増加配備分を含めて旧新川児童館での改修で現時点では足りる。もっとも、今後の人口増加等に対応するためにフラッグの倉庫の活用など更なる強化については継続的に検討を行う。



④防災訓練への参加率向上について

Q.地域防災力の向上という観点からは、最も重要なのはいざ発災した時に、何をすればいいか分からないという点である。つまりは防災訓練等への参加により、パニックになっても何をすべきか身体が覚えているという経験が重要であるところ、中央区民の防災訓練への参加率は14.4%に留まっている。

防災訓練への参加率向上についての所見は?

A,今回の補正予算における共助の取組みの周知を通じて、共助の重要性や地域コミュニティの大切さを行動認識して貰いたい。

防災訓練については、例えば幼稚園等のイベントなどと抱き合わせることにより、保護者の方を巻き込んで参加しやすくなるような工夫を今後も続けていく。



■ベビーシッター利用支援事業の拡大について


保護者の疾病や産後うつなどによる臨時・緊急的な一時預かり保育の需要に柔軟に対応できるよう、既存事業の見直しを図り、子育て家庭におけるセーフティネットを強化する。

① ベビーシッター利用支援事業の拡充
    計画的な利用を前提としつつ、多様な一時預かり保育の需要に一定程度柔軟に対応できるよう、年度内144時間の枠内において月補助上限を引き上げるとともに、養育が困難な場合の相談・調整や既存事業を利用するまでのつなぎとして、区独自の緊急対応枠を創設する。

* 月補助上限 児童1人あたり月12時間 → 月20時間
       (多胎児の場合は児童1人あたり月24時間 → 月40時間)
* 緊急対応枠 子ども家庭支援センターが承認した場合に限り、児童1人あたり最大60時間まで補助する。(一会計年度につき2回まで)
  
② 緊急一時保育援助事業および育児支援ヘルパー事業の拡充
    対象者および利用者負担額を見直すことで、臨時・緊急時における利用促進と保護者の負担軽減を図る。



Q,預け先の選択肢を増やすという点では拡大は評価する。月補助上限を20時間と設定した理由、また、緊急対応枠についてはどのような条件で承認がされるのか?

A.計画的利用を前提としても一定程度の柔軟な制度活用をしてもらうため、現在では一人当たり12時間を使い切る方が1/32/3は年間50時間程度の利用であることを考えると、月8時間=大体1日分を拡充すれば対応出来ると考えている。

また、緊急枠についてはまず区に相談をして貰い、どんな問題が起きているか電話や対面で相談、家庭訪問して区がどのような対応が出来るか、緊急対応枠を使うことによる確認書を書いて貰う流れを考えている。ご家族の入院など不可避な事態が発生した時にまずは限定しようと考えている。

⇒現代社会においては、ご家庭や仕事の事情など様々な要因でどうしても子どもの預け先を見つけたいという方々がいる中で、出来る限り利用者が利用しやすい制度設計を今後とも検討して頂きたい。本制度の拡充の後、区にも様々な相談がいくと思うが、区民のニーズに寄り添い引き続き、柔軟な制度設計を今後とも検討して頂くよう要望する。

■密集街区における防災機能向上に向けた検討


 能登半島地震での木造家屋の延焼火災を踏まえ、本区における再建築が困難で老朽化した木造家屋が密集する街区の状況を把握するとともに、ポケットパークや無電柱化など街区としての防災機能向上に向けた取組について検討を行う。

  * 検討内容
   ・無接道敷地等の再建築が困難な土地の状況の整理
   ・土地・建物を購入することなども視野に入れたさまざまな取組の検討
   ・取組の実施に向けた手法の検討



Q.本事業は地域を限定して進めるのか、それとも全区的な調査を行うのか?事業の概要について

A.全区が対象だが、無接道敷地など建て替えが難しい街区、耐震化が難しい土地を対象としている。例えば佃、月島、勝どき、人形町の一部地域など。

木造家屋密集地域が実際にあり、街区全体の防災化、耐震化を進めるため区が土地を買い取った上で、防災ポケットパークや無電柱化を進めるための地上機を設置するなど、街区全体の防災化に資する使い道を行う。

空き家など権利関係が錯綜しているケースも多く、買う事自体が難しい場合もあると思うが、本年度中には調査を終わらせて新年度から買っていきたい。中央区が買い取りますを是非宣伝して欲しい




今回の補正予算案は非常に重要な案件が多く、審議も熱を帯びました。

特に防災対策の充実については早期の予算化を高く評価しています。

かがやき中央としましては、本補正予算案に賛成する予定です。

ご意見等がございましたらお寄せください。

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