こんにちは!中央区議会議員の高橋元気です。
昨日から、中央区を巡る二つのニュースが話題となっています。
東京中央区の出生率トップ「結婚も出産も豊かな貴族夫婦だけが享受できる特権的行為」となったのか?
まずは、低迷する日本の合計特殊出生率ですが、2022年も1.27程度と更なる低下が予測されている中、
中央区は約1.43(2020年)と、特別区だけでなく東京都全体でも一位の出生率を誇ります。
ベスト3は、中央区、港区、千代田区とですが、ご存じこの3区は平均所得が高く、財政健全指数も高い区でもあります。
一方で記事内にもありますが、かといって中央区が他区と比較して特別な少子化対策を実施しているわけではありません。
単純に、人口回復策として力を入れたタワーマンションの建設ラッシュにより、子育て世帯の転入が増え続けているからです。
冒頭のツイートに戻りますが、中央区はその人口回復や出生率向上の要因が、自分たちの少子化対策や子育て支援策が評価されている、という答弁を繰り返しています。
私のこれまでの議会質問における答弁においても、同様の答弁を繰り返します。
特に2021年に明石市と同レベルの子育て支援策、子どもファーストのまちづくりを!と提言した一般質問においても、区の施策は十分である、という答弁を繰り返しました。
昨年9月に問題となった、65歳以上の方に向けた所得制限なしの区内共通買物券の支給の際にも、これまで子育て支援策に力を入れてきたのでバランスを取るため支給対象を高齢者と決めた。
という答弁となりました。
我が会派は、当然ながら補正予算案に反対しましたが、与党を始め、我が会派以外の全ての議員が区内共通買物券の支給に賛成し、補正予算案は可決されました。
フォロワーの方も中央区における子育て支援策の拡充について「区長への手紙」を通じて質問したところ、
「合計特殊出生率や人口の増加は、中央区の子育て支援策が評価され、多くの子育て世帯の転入に繋がっていると認識しています」
と、私に対する回答のコピペのような文章を送付されています。
いい加減にして欲しい
その言葉に尽きます。大変憤りを感じます。
本記事でも言及していますが、
人口増加は主にタワマンの建設ラッシュによる効果です。
再開発が落ち着けば必ず人口は減少に転じます。
その際に比較されるのは他区の子育て支援策との比較です。
財政に余裕のある、中央区だからこそ、今こそ次世代に対して投資を行い、子育て支援策、子どもに対する投資を集中するべきなんです。
人口流出を防ぐための投資としても、必ず有効となります。
ところが、残念なことにこちらのニュースも話題となってしまいました。
銀座で一人2万円を超える「高齢者へバラマキ」の怒り【歌舞伎一等席、豪華幕の内弁当、お買物券3千円】
まず、本件は事実です。
中央区は70歳以上の方を毎年、歌舞伎の観劇に招待しており、お弁当につきましてもお配りしています。
昨年度は歌舞伎座を5日間、午前中貸し切り、8800人程度の方をご招待したようです。
令和3年度の決算書によると、
かかった経費は8281万7825円、こちらには入場券や昼食のお弁当も含まれます。
また、同じく予算化されているものとして、敬老買物券があります。
こちらは75歳以上の方全てに3000円の区内共通買物券、88歳、77歳を迎えた方には共通すし券、100歳以上の方には1万円分の共通買物券が支給されます。
また、敬老浴場事業なども同予算に含まれます。
これらの事業に対する中央区の行政評価は下記の通りです。
ご覧の通り、区の行政評価は、ただのお手盛りの通信簿となっており、事業の必要性、費用対効果、手法の妥当性などを含む総合評価がされていません。
結果、この事業を継続するのか、廃止するのかといった存続判断まで踏み込めていないため、無条件で継続されている状態です。
区の行政評価手法に対する問題提起は先の決算特別委員会で私が取り上げました。
今回は、本事業およびニュースに対する私の見解を話しますが、
やはり、高齢者のみを対象とした区内共通買物券も含めて、客観的に公平性を欠いていると思います。
それがいわゆる区長および議会与党の方針なのですが、選挙対策のバラマキとの批判は免れないでしょう。
一方で、東京都の18歳以下5000円給付のように、私はバラマキ自体が悪いこととは思っていません。
正直少子化対策という意味での効果は薄いと思いますが、シティプロモーションの一環であると考えれば良い投資です。
東京都、中央区は子ども達、子育て世帯の方々に対してしっかりと目を向けているという印象を与えること自体に意味があり、結果的に人口が流入し、流出を防ぐのであれば戦略として正しいと思います。
(私は中央区議会議員ですので、中央区の発展、中央区民の方々のご意見や満足度の向上を一番に考えていますので、全国的な少子化対策や地方部過疎化という問題は横に置いています)
本事業における客観性に欠けるとは、まず敬老大会の在り方。
区内在住の70歳以上の方であっても、歌舞伎を見たい人と見たくない人がいる、選択肢を与えるべきではないか。
福祉サービスとして共通買物券の支給や、歌舞伎、明治座など複数のツアーから選べるなど。
一方でどうしても中央区の文化として歌舞伎を推したいのであれば、敬老大会とは切り分けて、毎年区民全員を対象に抽選で希望者を招待する、または年齢の節目でもある新成人などを同時に招待する、といった方法も考えられます。
異常な高齢者優遇策として記事では叩かれていますが、私はそこまで異常とは思いません、むしろ先日の65歳以上買物券の支給の方が異常です。
昨年亡くなってしまいましたが、90代の祖母も毎年敬老大会を楽しみにしていました。
数少ない外に出る機会だからと、うきうきしていました。
事業の目的自体は素晴らしいと思っています。
ですので、喜んでいる方ももちろんいるのであれば、何でもかんでも削ればいいというものではないと思っています。
常に中央区の経営がギリギリなのであれば、福祉サービスの中止も検討されるべきですが、こと中央区の場合は、毎年区民税が20億円レベルで増え続けるなど、財政は健全な状態です。
削るべき予算は他にもあります、例えば毎年3億円以上の赤字を垂れ流す銀座ブロッサムの運営や、不要な第三セクターの整理、電子化による区のペーパーレス化、事業コストのカットなどです。
その上で、私は子育て支援策、子どもや子育て家庭への支援を拡充していくべきであると思っています。
むしろ、財政に余裕がある今だからこそ、次世代に投資すべきです。
それは必ず人口増加や税収の伸びとしてリターンとして返ってきます。
結果そのリターンを高齢者福祉や障碍者福祉など、更なる福祉サービス、公園などの環境や、学校、保育環境、住民サービスの向上に使えます。
子どもを中心に投資を重ね、まち全体を発展させる姿が、明石市のモデルでもあり、中央区でも実践すべき姿です。
と、ずっと言い続けてきたのですが、意見を言えば違う意見の方から叩かれるのもこの仕事の特徴です。
情報発信力が高ければご批判も必ず増えます。耳の痛いようなどのようなご意見に対しても私は誠実な対応を心掛けています。
私は中央区民の皆様から付託を受けて仕事をしている身です。
この古い中央区の考え方を変えるために、必ず中央区や議会、誰が相手でも戦い続け、次の4年間で必ず実現させます。
強い信念と覚悟でやり遂げるつもりです。
もちろん無条件で応援してくれとは言いません、意見が違う場合はしっかりと批判して頂けますと助かります!
引き続き、ご意見のほどよろしくお願い致します!!