こんにちは!!中央区議会議員の高橋元気です。
本日は、区の令和3年度9月補正予算の審議が企画総務委員会で行われました。
総額186億円の大規模な補正予算案となりました、区の令和3年度予算は1081億円⇒1267億円に増額されます。
その歳出をどうやって賄うのか
国や都からの支出金や補助金もありますが、多くの場合は基金からの繰り入れまたは特別区債の発行により賄われます。
基金とは、特定の目的のために積み立てるいわば自治体の貯金です。
令和3年3月末時点で中央区は約809億円の基金を積み立てています。
これは23区で比較すると、財政規模の割には多く積み立てている方とも言えるのではないでしょうか。
特別区債の発行については89億5500万円の発行となります。こちらは区の借金です。小中学校の改築など将来にわたって区民の方が利用する費用を将来世代も一緒に負担するべきとの考えで、国などから長期に渡って借り入れを行うものです。
今回も教育債として発行するものです。
さて、今回の補正予算案の主な歳出用途としては、主にコロナ対策としての地域コミュニティ支援、飲食店・商業施設支援、商工業融資、入院費助成や私立認可保育所の開設費用など13項目に渡りますが、予算のほぼほぼ177億円が晴海四丁目および晴海五丁目の土地購入に使用されます。
この土地取得価格が適正なのか!?という点が企画総務委員会の中で争点となっておりました。
Q.東京都との交渉経緯について
A.東京オリンピック招致が決まって直後から、選手村跡地の住宅開発用地の近隣に公共公益施設が必要であると東京都と折々に話して交渉をしてきた。都側も必要性を認識していたと思われる。また、コロナ禍における区の財政事情も含めて配慮して貰えるよう交渉を積み重ね、結果的に近隣の土地と比較して50%OFFの金額で妥結できた。
しかし決して安い金額ではない。特別区債の発行については、義務教育用用地取得のための区債については都区財政調整制度の普通交付金として算定される。89億5500万円分の特別区債については、土地取得のための元金(99億5000万円)の一部(90%)として算定されるため、翌年度以降の利子も含めて、実質的な区の負担は軽減される。
Q.一方で、東京都は選手村跡地(晴海FLAG)の土地を民間のマンション事業社に対しては近隣土地価格と比較して10分の1で売却している。その点との違いは?同じ敷地内の学校用地だけ何故5割減額(1/2)で留まったのか。
A.直接的に民間事業者への売却価格と比較して交渉したわけではないが、住宅開発用地については、もともとはオリンピック選手村としての活用用途の特殊性から事業者との交渉で安くなったと聞いている。
また、都有地の売り払い価格については東京都が規則に則って価格審議会を経て決められる。その上で都と区の間で近隣の状況や施設の目的を説明して交渉している。本来ならそのままの価格でいいところを最大限5割減額で配慮されたものと認識している。
Q.やはり民間事業者への売却と比較して高く購入している点は納得出来ない。再交渉するべきでは?
A.(吉田副区長)
区としてももちろん無償提供を含めて交渉してきたので、この価格で満足しているわけではない。しかし、東京都も他の23区全体との関わりの中で、ルールに基づき土地の売渡を行っている。そして実際問題のところ2年後に学校を必ずオープンしなければならない。区としても、都区財政調整制度や基金、区債を活用して実質的な財政負担を軽減しながら、スケジュールに間に合わせるしかなく、全体的な財政負担を調整している。スケジュール、価格、財政負担を総合的に検討しながら結論を出したものである。
こちらは主に共産党さん等と区との質疑応答の内容です(正確な議事録は3カ月後に公開されます)
まず特別区債89億5500万円のうち、義務教育用用地取得のための区債発行(元金の一部および翌年度以降の利子)については、都区財政調整制度の普通交付金として算定されるため区の財政負担はある程度軽減される。
※※9/28アップ時は「特別交付金」に算定されるとしていましたが、再度確認の結果、「普通交付金」としての算定であるとの事です。結果、実質的に軽減される金額は少なくなります※※
ここは非常に大事です。
都区財政調整制度とは、都及び特別区並びに特別区相互間の財源配分の均衡化を図り、特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保することを目的として、都が課税・徴収する一部の税(固定資産税、市町村民税法人分、法人事業税交付対象額等)の収入額の一定割合を、各特別区に交付するものです。
元金の一部などが普通交付金として算定されるとのこと、結果、翌年度以降実際に交付金としていくら返却されるのか、実質的な負担として0になるのは何年度となるのか、改めて確認します。
このコロナ禍の財政状況の中で、出来る限り土地取得が安くすむようにしたい、というのは本区も思っていると、答弁をされていました。
一方で、すぐ隣の住宅用地(晴海FLAG)については民間事業者へもっと安く売却しているじゃないか!というのも最もです。しかし東京都もオリンピックの誘致が決まった際にオリンピックの顔として選手村を晴海に作り、同時に再改修した上での民間事業者への売却については特に目玉事業として力を入れていました。都としてもどうしてもすぐに開発・設計して売却したかったという部分はあるでしょう。
一方で、都と民間ではなく、都と23区との関係として、自治体間での売却については特別に安くするのは難しいという事情も理解出来ます。
晴海FLAGの入居と合わせて、あと2年半(2024年春)で学校をオープンさせなければならない。お尻が決まっているという状況も理解されるべきでしょう。
個人的にはまず、義務教育用施設は確実に、速やかに整備するべきあると思っていますので、今回の区の結論については賛成の立場です。
再交渉が長引いてしまえば、工期が遅れてしまう可能性もあります。
もちろんこのコロナ禍の中では、出来る限りお金は大切に使うべきです。
ちなみに区が保有する財産や特別区民税の区民負担の状況は以下の通りです。
私も引き続き勉強致します。
それでは!!!