【環境土木】歩車道のバリアフリー化、通行性と視覚障がい者の方の識別性の両立について

こんにちは!中央区議会議員の高橋元気です。

決算特別委員会、本日の私の質疑より。

先日、このような趣旨のツイートをしました。

こちらは、区内在住のご高齢の方、車椅子を利用されてる方からのご相談ケースです。

日常生活において車椅子を押して通行しているが、区内の交差点ではどうしても通行出来ない箇所があり、その都度警察官の方などにお願いして段差を上げて貰っているとの相談がありました。

具体的には勝どき駅周辺、晴海通りの交差点は通行不可、一方で清澄通りについては通行出来る箇所もあるとのこと。

そこで早速、区内の歩車道の段差を見て回りました、

様々な歩車道境界ブロックタイプがありますが、どれが通行出来て、どれが難しいかを確認したところ、やはり1cmでも段差があれば通るのは難しいと。

結論から言えば上記のタイプは全て通行出来ません。

つまり段差がほぼ存在せず、一部一体となったスロープとなっているこのタイプ以外は無理です。

一方で、歩車道の境界については、視覚障がい者の方にとっては段差が歩道と車道の識別の境界となっており、識別性の観点からも段差が必要という事情もあります。

双方当事者のご意見はごもっともです。

調べたところ、中央区は歩道境界ブロックの型を中央区式と呼称し統一しています。

https://www.city.chuo.lg.jp/kankyo/dorokyoryo/kudorozigyo.files/111.pdf
https://www.city.chuo.lg.jp/kankyo/dorokyoryo/kudorozigyo.files/111.pdf

こちらは国土交通省の指針において、バリアフリー化を進めるにあたっては歩車道の段差を2cm以内とするべきという内容は守っています。

しかしながら中央区式でも段差は2cm、私の祖母含めて通れないという方がいます。

一方で、他自治体では段差を1cm未満にしながらも、視覚障がい者の方の識別性を確保している事例もありました。

例えば水戸市

http://www.jcpress.co.jp/wp01/?p=26735&fbclid=IwAR1oEEwDGNTPOyC9u7Ncn9zR50muxgXxhN60zk8zjhAbTpR_eUumo8vpBSY
https://www.kkr.mlit.go.jp/road/road_effect/human_first/seibi_jirei_hito_06.html?fbclid=IwAR0Bm_W11zN_21W659DbSugrGE2JW6Cvne2QjDmYSJXt8c05TW1XiucF_sU

その他様々な自治体で段差1cm以下の上で識別性をハイレベルで両立させた歩車道境界の整備が実施されています。

東京都建設局の資料においても、

https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000009877.pdf
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000009877.pdf
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000009877.pdf

様々な歩車道縁石モデルにて、車いす使用者および視覚障がい者による歩行実験を実施したところ、段差1cmの縁石形状に表面突起を付加するタイプが、双方においてバランスよく、現行の段差2cmブロックよりも評価が高かったとしています。

つまり、技術により双方の要求を高いレベルで満たせるものはあるのです。

その上で以下の質問を致しました。

Q.(前述の経緯を説明したのち)中央区においては、中央区式歩車道縁石ブロックの整備を進め、区内では約89%の整備が完了出来ているとしている。一方で国土交通省の指針に紐づいた段差2cmの縁石ブロックについては、通行困難であるという声も寄せられている。水戸市など他自治体の事例においては、段差1cm以下でありつつ縁石にゴム製の突起を付けた上で、歩行者の通行性と視覚障がい者の識別性を高いレベルで両立している事例もある。

本区の歩車道のバリアフリー化を図る上では、中央区式に固執するのではなく、十分な通行性も確保出来るようブロックを整備するべきと考えるが如何か?

A.本区が整備を進める中央区型の歩車道縁石ブロックによっても、かなり通行に苦労をされているという声も実際に届いている。一方で段差がないと視覚障がい者の方が杖で引っ掛けることが出来ないという声もある。本区としては中央区型の縁石ブロックの整備を進めた上で、今後の技術革新や他自治体の動向を注視し、検討していく

⇒そのような苦労をしている声が実際にあるのであれば、中央区型に固執するのではなく、柔軟に様々な縁石タイプの検討を進めるべきであると考える。段差が1cm未満であっても、視覚障がい者の方の識別性も充足したタイプであるとも検証されているため、車いすやベビーカーユーザー、あるいは視覚障がい者の方の意見、当事者の意見をしっかりと聞いた上で今後の区の施策に活かすこと。



私自身、非常に勉強になりましたし、区内の歩車道の段差を注視してみるようになりました。

このように様々な当事者の方からのご意見があり、調整の必要がある事例は沢山あります。

引き続き、皆様からのご意見を賜れますと幸いです。

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