「福祉保健」カテゴリーアーカイブ

子どもの事故予防・令和4年度までに待機児童問題は解消するのか~決算特別委員会③~

こんにちは!!

本日は決算特別委員会の福祉保健費の答弁も絡めていきます。


まずは子どもの事故予防の観点から以下の質問をしました。

2020年9月7日に東京都八王子市内の私立幼稚園において、給食に出された大粒のぶどうが4歳園児ののどにつまり、当該園児が窒息して死亡するという事故が発生しました。大粒のぶどうミニトマトで子供が窒息する可能性があります。

厚生労働省が平成28年3月に公表、通知致しました「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」の中には給食で提供を禁止されている食材が記載されています。
また、ミニトマトは必ず4分割にして提供するなど、その調理法においても記載があるところです。

食品による窒息は瞬時に発生するものであり、状態が5分以上続けば死亡する場合もあります。すぐそばで見守っていたとしても、窒息を予防することは困難です。

区では当ガイドラインについて教育・保育施設を対象に周知を行っているかどうかお聞かせください

A 八王子の事故については、もちろん認識し、すぐに各保育園・幼稚園に対して事故の概要と共に注意喚起のため通達を出した。その中で当ガイドラインの遵守についても改めて周知を行っている

ガイドラインの遵守については、開園時または定期的になどどのようなタイミングで周知しているか?

A 開園時に必ずガイドラインの内容を周知し、ガイドラインに沿った研修を実施している。また、他自治体での事故発生時等、適切なタイミングで全ての施設に対してガイドラインの周知・注意喚起を行っている。

当ガイドラインは保育施設等を対象に、子どもの事故を予防するため必要な取り組みが詳細に記載されています。子どもにとっては危険な食材の調理方法事故発生時の対応順序など、とても分かりやすいです。

こちらぜひ

保護者の方も是非一読してください!!


家庭内においてもしっかりと身に着けておくべき知識が記載されていますし、目から鱗な事例もありました。
中央区においても、保育施設に対しては当ガイドラインに則って定期的に指導をしていると確認が取れましたので、定期的な研修と、抜き打ちチェックによる監査を回して頂きたいと思います。



なお、子どもの痛ましい事故を全国的に防ぐため、

子どもの事故予防地方議員連盟」が設立され、

私も会計担当として参画しています。
様々な情報を共有しながら、中央区の事故予防体制の構築に活かして参りたいと思います

また、中央区においては、食にまつわる重大事故は令和元年度〜令和2年度においては報告されていません。



次に待機児童問題についてです。

中央区は「第2期中央区子ども子育て支援事業計画」の中で、
令和4年度までに待機児童を0にすると掲げています。

第二期中央区子ども子育て支援事業計画

しかし、令和元年度は保育定員を300人以上増やしたにも関わらず、待機児童は5名増えて202人となりました

令和2年度行政評価
令和2年度行政評価


どのような根拠をもって、待機児童の解消が残り2年で図れると見積もるのか。今後も再開発が続き、人口は増加していきます。マンションや区立施設含めて、新規開設施設に保育施設を併設したとしても、限界があると思われます。また、一次的に0に出来たとしても、人口が今後も増加する月島地区(月島・勝どき・豊海・晴海)を中心に、待機児童0を維持できるのかという質問を行いました

第二期中央区子ども子育て支援事業計画にある通り、保育所等は、利用申込み実績をもとに、量の見込みの推計を行っている

人口推計×保育ニーズ率

※保育ニーズ率・・・保育所利用者数+待機児童)に加え、育児休業中事前申込や 区外認可保育所利用者などの児童を含めて算出した過去5年間の最高値

その上で例えば桜川保育園の改築や晴海に新設される予定の保育園など、60人定員規模の保育施設を年間5つ開設目標として再開発施設への積極的な保育施設の誘致を図っていき、令和4年度を目途として待機児童を解消する方針である

箱を作っていくにも限界があるのではないか、また、時間もかかる。資料を見てもわかる通り、3-5歳児はほぼ待機が発生していない一方、0-2歳児の待機数が多い。0-2歳児を対象にした小規模保育の実施や居宅訪問型保育の充実など、ただ全体の箱を作るだけでなく、少ない用地を活用し、ニーズに対してピンポイントに対応していく工夫も必要であると思うがどのように対応を行っていくか。

これまでも3-5歳児の枠を活用した0-2歳児の期間限定保育の実施など柔軟に対応を行っている。小規模保育の実施については保育士や事業者の確保という点から課題。原則、積極的な施設整備を前提として、居宅訪問型保育の実施など複合的に進めていく


2歳児以下のお子様を抱える家庭でも、フルタイムで預けたいというニーズはもちろん高いと思います。よりきめ細かいニーズを把握した上で,適格な施設の整備と共に、居宅訪問型保育事業の枠の拡大、小規模保育の実施も含めて、あらゆる方法を検討して解消に向けて頂きたい。
ただ箱を作るだけでなく、工夫も求めました。
また、保育園申込プロセスや連絡手段としてIT技術を活用し、保護者の方の負担を軽減した上で、透明性の高い運営をして欲しいと改めて要望します。

令和2年度行政評価

また、このコロナ禍においては更に保育士の方々の負担は増えていきます。保育の質の向上と共に、保育士の方々への支援、負担軽減も更に充実するよう求めてまいります。


皆様からもこのようにして欲しい!というご要望がございましたらいつでもお聞かせください。



それではまた!!!

子どもたちの駆け込み寺、江戸川区児童相談所を視察!

こんばんは!!


週初めに若干風邪を引いてしまいました?

急に夜が冷え込むように寒くなりましたが、寝具は夏のままだったので、どうやらそれが原因のようです。。。。
皆様もお気をつけください!!!

さて、一昨日はあたらしい党メンバーで江戸川区の児童相談所
「はあとポート」に視察に行ってまいりました!!

https://www.city.edogawa.tokyo.jp/jiso/index.html


前提として、2016年の児童福祉法改正により、東京の場合は都のみならず、23区も児童相談所を設置できるようになりました。
その中で最初に手をあげたのが世田谷区、荒川区、江戸川区であり、江戸川区は2020年1月に開設がされました。

今までは児童相談所は都の事業であり、児童虐待への対応については、各特別区に設置している子ども家庭支援センターと東京都が設置している児童相談所の二つの機関が存在していることによって、各ケースにおいて認識に温度差が生じたり、迅速かつ子どもの状況に合わせたきめ細やかな対応がとれないことがあった点が問題とされてきました。

冷静に考えても、子どもたちや家庭の相談窓口となるためには、都が執り行う広域行政という側面よりも、地域特性を考慮した対応や相談の利便性から地域に密着したワンストップ窓口を設置することは理にかなっています。
ただ、江戸川区で虐待された子供を親から引き離し、親せきがいる中央区に引き渡すケースなど、広域的な調整が必要な場合には東京都や国の出番となるでしょう。


中央区も将来的な設置を検討しており、先行する自治体の取り組みの状況を参考にさせて頂きたいと視察を受け入れて頂きました。


担当課長の皆様のご案内のもと、児童相談所スペースのみならず、一時保護所の居住スペースまでご案内頂き、子ども達の授業風景も見させて頂きました。
元気に駆け寄って挨拶をしてくれる子供たちの姿に、

正直、施設の印象がガラリと変わりました

江戸川区児童相談所がその設置にあたり、心がけたのは以下の3点です

①指揮系統の一元化
⇒子ども家庭支援センターと児童相談所の二元体制を集約

②支援対応の一元化
⇒母子保健や子育て支援、学校教育などの基礎的サービスを駆使し、地域住民や関係団体と連携を強化し、虐待の発生を防止

③窓口の一元化
⇒4つあった窓口を一本化、総合相談窓口として、児童に関するあらゆる相談の受け皿に



まず、①についてですが、中央区も含めて多くの基礎自治体が認識している、児童相談所設置における課題は

人材不足、人材養成です

まず人を確保し、児童福祉司、児童心理司を確保しなくてはなりません。
江戸川区のケースでは、まず子ども家庭支援センターを廃止しました
これにより、もともと子ども家庭支援センターに勤めていた職員をスライドさせ、また経験者採用を同時に進めました。
更に、他自治体の児童相談所に職員を派遣し経験を積ませ、児童福祉司の研修も実施したとのことです。

施設を作るのであれば、回せる組織を作らなくてはならず、やはり最大の課題である人の養成にはある程度の時間がかかるでしょう。
全てが初めての経験ながら、チームが一体となって毎日のように会議を開き、課題を話し合い、ルールを作り、ガイドラインを作るという毎日により、段々と組織が出来上がったとのことです。



また、他の部署からスタートアップメンバーとしてやりたい!という意欲のある職員を引き抜いたり、弁護士を常駐させるなど、かなり初期にご苦労をされ、組織作りには力を入れていた印象です。



そして②、③の結果、子どもの身に何かあったらここに電話した方がいいという、評判が口コミで高まりました。

当初想定していた一時保護の定員数は35人

どのように定員数を計算したのか伺うと

1年間の一時保護の児童数×平均保護日数÷365日

この結果が17人だったところ、その2倍の35人で想定したところ、現在では想定を超える60名を預かっているようです。

(この計算式は、今後中央区でも当てはめてみます)



今では子ども達から直接相談の電話が入るとのこと、しかもその理由として、

口コミが凄く良かったので入りたいのですが(江戸川区在住ではない)大丈夫ですか?

との相談や

家庭に復帰したが、あまりに居心地がよかったのでもう一度入りたい

という子ども達の声も・・・・クチコミがいいってどういうことなんだ・・・



その理由は、一時保護施設を案内されて、とても理解が出来ました。
全てが、子どもたちのためにデザインがされています。



まず、一般的なイメージかつ都が運営している一時保護施設の印象だと、

男女は完全に別、話すことも出来ない。ルールが厳しく、まるで牢獄のよう

という話を聞いたことや、印象があります。



こちらの施設は、まず居住スペースはさすがに男女で別であるものの、教室やリビング、食堂などは男女年齢関係なくみんな走り回ってます。

そして、居住スペースの充実さが凄い。
沢山の漫画やゲームが並ぶ広々としたリビングスペースは、大きなテレビを自分たちがルールを決めて自由に使っていいことになってます。
男女のスペースで置かれている漫画も違いますが、男女それぞれの話し合いで、漫画やゲームの貸し借りの管理を行っています。

特徴的なのが、全て自分たちでルールを作るという点です。
各種イベントの企画、実行も自分たちでやります。

そして、ベッドルームも個室であり、テレビまであります。
そしてなんと、お風呂は大浴場ではなく、個室のユニットバスが4基設置されており、1人ずつ入ります。

これは施設長の強い意向だったとのことです。性的指向、性自認の不一致で悩む子どもたちにも配慮出来るようにとのことです、素晴らしい。

大きな体育館や、それとは別にグラウンドもあります。

これは確かに居心地いいだろうな・・・というのが印象です。



それも証拠に、逃げ出す子はほとんどいなかったそうです。

むしろ、いつでも逃げられるように、ドアは中から開錠し、外に出れるようになっています。
また、窓から逃げ出すと危ないとの思いから、窓の下はバルコニーになっており、ご丁寧にバルコニーから階段で外に出られます


逆転の発想です、逃げたかったらいつでも逃げろ!という趣旨で作ってます。でも居心地いいから逃げないという・・・・



とにかく、虐待だけでなく、やむを得ない事情で居場所を無くしてしまった子どもたちのために作られた施設であり、まさに

子どもたちの駆け込み寺

として、施設を作りたかった、施設長の想いがとても伝わってきました。
印象的だった言葉があります。


まず子どもたちを信用することが大事。
子どもたちは環境さえ整っていれば、間違えない。
子どもたちの心に寄り添い、行動を責めるのではなくその背景も含めてちゃんと見てあげたい。



子どもたちが逃げなくてはならない状況になった場合、子どもたちの心に寄り添い、その受け皿として機能していました。

唯一苦慮されていたのは、まなびを止めることなく、子ども達にちゃんとした教育を受けさせたいが、教育委員会の管轄ではないため、自分たちで考えるしかない。
という点です、ここに縦割り行政の課題もありました。



今回、私も沢山思うところがありました。
そしてその方々の子どもたちに対する熱意を、是非中央区のまちづくりにも活かしたいと思いました。


今日は以上です、それではまた!!!!