皆さまこんばんは!!
本日は教育についてです。
私は本年4月から大学院に所属し、Edtechの第一人者である佐藤昌宏教授のラボで、未来の教育とは何か、社会実装をするためにはどうすればよいか
というテーマを研究しています。
Edtechという概念をご存じでしょうか。
EdtechとはEducationとTechnologyを組み合わせた造語であり、
テクノロジーを活用した教育のイノベーション。
ただ単に既存の教育の延長上としてICTを活用した授業を行うだけでなく、
これまでの構造や仕組みを再定義し、新たな枠組みやルールを築き教育の在り方を本質的に変えるものと表現出来ます。
黒板による一斉授業から脱却し、形式的な教育という制度に頼らなくても、
学習者が主体となった「学び」が手に入るということ。
学習者一人ひとりの個性や特徴、興味・関心、スピードに応じた学びを学習者自らが選択し、学べる新しい時代を目指す概念です。
国はGIGAスクール構想(Global and Innovation Gateway for All)
を掲げ、児童1人1台の学習用端末や高速回線の整備を進めていますが、整備の後にどんな新しい教育が始まるの?
という肝心な教育の方向性、教育コンテンツなど、その先を現場に丸投げしています。
じゃあどんな教育が出来るようになるのか、
そこでお話したい未来の教育のお話が、Edtechが作る未来、
例えばAIによって、個人の習熟度に合わせることの出来るアダプティブラーニング、
そして、STEAM教育という概念です。
STEAM教育とは
科学(Science)、
技術(Technology)、
工学(Engineering)。
アート(Art)、
数学(Mathematics)
の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた2000年代に米国で始まった教育理念になります。
特にクリエイティブ力と自己受容力を高めよう!
という考えから、知る(探究)とつくる(創造)のサイクルを生み出す、分野横断的な学びになります。
端的に言えば、「ものづくり」です。
今、この現場にはどのような課題があるか、問題意識を持ち、原因を分析、対策を立案する。
その課題を解決するためには、どのようなモノがあればいいのか、調査・分析をするために「科学」が必要になります。
そしてその課題を解決するために必要な技術、工学を学び、自分で作ります。
そしてその機能を最大化するためにはどのようなデザインが最適なのか、ここで設計図を作るためのアートが必要になります。
プロトタイプを作り試行錯誤を繰り返し、数値化を行い振り返って分析をしてまた作り直すために、数学が必要になります。
このようなゴールから逆算した学び、教科を横断した上で必要な知識を学ぶ総合型学習がSTEAM教育です。
何故このようなSTEAM教育が必要とされるようになってきたのでしょう
現代社会において、テクノロジーは今後も急速に進化していきます。その中でAIやロボットによって人間の仕事は今後も減っていくでしょう。
社会が変わっていく中で必要となるのが、変化に流されるだけではなく、”新たな変化を生み出せる能力を持つ人材“です。
それにも関わらず、変化を生み出すことができるデザイナーやエンジニアは全世界で不足しています。
そこで新たな変化を生み出す人材を育てるために自発性、創造性、判断力、問題解決力に優れ、自分で学び、自分で理解する子供を育てる必要性があるのです。
STEAM教育の核となるのは
4つ目のARTであると言われます。
テクノロジーや知識だけでは、頭でっかちな大人に育ってしまう。
幸せな人生を送るには感受性を豊かにしてくれる、アートが最も大事であるという考え方です。
↓↓↓↓ここからは固くないお話↓↓↓↓
実は、つい最近、大学院の授業でアートについて改めて学びました。
そして、20年ぶりくらいに
絵を描きました!!!!
私、超が付くほど、絵心ないんす・・・
オンラインで画材に絵を描き、pdfに取り込んで発表しあう、という形式の授業でしたが、本当に面白かったです。
では、その絵を紹介します。
まず第一のテーマは
「私を突き動かすもの」
というテーマで自由に描くというものでした。
さて、これ・・・何を表現したと思います??
うん、同期にも言われました
・・・ポケモンにしか見えない
いや、下手すぎるとかいう次元じゃないっすよね・・・
実はここで自分が表現したかったもの、
それは自分が今の仕事をしている中で突き動かされているもの、
ズバリ「正義感」を表現したかったんです。
正義感を表現しようと思ったら「星」に行き着いた(警察バッジとかのイメージだろうか)
そして、でも心の真ん中は情熱やハートで燃えている、だから真ん中は赤いのです。
このように、第三者から見ると同じ作品でも全く違うものに見える、そこで学ぶのが捉え方の多様性ですね。
他人の絵を見て、何を表現したかったのかを当てる、というのも楽しかったです。
そして二番目のテーマは
あなたが創りたい未来
また、難しそうなお題が来ました。
ですが、不思議と自分は何の迷いもなく次の絵を描いてました
これはもう、誰でも分かると思います。
私が創りたいと思っている未来はこのまんま
沢山の色(属性)をもった人々が手を取り合って暮らす世界
です。
不思議と、これしか浮かびませんでした。
そして最初は背景色も青にしようかと思ってたのですが、直感的に黄色にしました。黄色は何となく、「平和」や「調和」のイメージがあります。(同期の中国籍の方によると、色のイメージも国によって違うという見方があって面白かった)
これたぶん正直、
幼稚園生など幼い子が、絵を描いてみてって言われて初めて描くような絵だと思います
でもね、そう思ってからこうも思ったんですよ
もうすぐ自分も38歳、色々な出会いもあり別れもあって、幸せな時もあれば、絶望に等しいほど落ち込んだ時もありました。
沢山の人達を笑顔にしたい、せめて誰も泣くことのない世界を作りたい。でも、世界から戦争は無くならない。
これまで人間関係の難しさ、人の暖かさや汚い部分もやっぱり沢山見てきました。
ああ、それでもまだ自分は、
この絵を描くことが出来るのか
30年経っても変わらずに、小さいころに思い描いた未来と同じ未来を描くことが出来るのか・・・・逆に素敵やん。
思いがけずちょっと、感動しました。
そして、グループで絵を見せあっていた時に、同期から言われた一言にもハッとしました。
あなたが創りたい未来というテーマなのに、
絵の中に「あなた」が描かれていないんですね
・・・・・確かに。
正直、この未来の中に自分を描くことを一ミリも考えていませんでした。
たぶん、別に自分はいなくてもいいと思っていたのだと思います。
自分がいなくても、こんな未来を創りたい、そう思ってたんだなと、しみじみしてしまいました。
絵を描くって、しばらく忘れてましたが、本当に素晴らしいものだと改めて思いました。
絵を描くということは、自分の心を表現するということ。
そして原点に帰れるということ、現在地をもう一度確認出来る作業です。
何かに悩んだ時、決断に迷った時は
文章だけでなく、絵で描いてみると
解決の道筋や自分の本当の気持ち、想いに帰ることが出来るのではないでしょうか。
あなたが昔描いた未来、もう一度、描いてみませんか?
長くなりましたが、それではまた。